航空写真測量
航空機で上空から、隣接する写真を60%程度重なるように撮影し、写真に位置情報(座標、標高)を与えて空中三角測量を行い、数値図化機を使用しての図化・編集作業を経て地形図を作成します。
日本の基本図である2万5千分の1地形図や地方公共団体が作成する「都市計画図」の基図なども航空写真測量によって作成されています。
DM(デジタルマッピング)
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2次元地形図
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3次元地形図
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3次元地形モデル(TIN)
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TIN + オルソフォト
数値図化
航空機やUAVを用いて撮影した空中写真をもとに、ステレオ図化機を使用して道路や家屋などを3次元計測する作業です。
数値図化は航空機に搭載されたGNSS/IMU装置で撮影時に取得した画像の位置情報を利用してできますが、精度を高めるため、図化機により写真座標を測定し、撮影時に得られた外部標定要素と調整計算を行い、各写真の水平位置及び標高を決定します。
図化機に重複する2枚の写真(モデル)を取り込み、実体視(立体視)することで平面位置座標(XY)と標高値(Z)を取得しながら、道路や建物などをなぞるように地形図データを作成します。
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ステレオ図化機
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図化作業
数値編集
数値図化により3次元計測して作成した地形図データをもとに、現地調査の結果に基づき、形状等の修正を加え、注記(文字)を配置し、使用目的にあわせた地形図データを作成します。
また、既存の数値地形図データや各種CADデータなど、過去に作成された地形図を経年変化修正する作業、使用目的にあわせた縮尺に編纂する作業もあります。
作成した地形図はDMデータ(数値地形図データファイル)や各種CADデータや出力図などの成果品になります。
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編集作業
オルソ画像
空中写真は中心投影で撮影されており、画像の中心から離れるほど大きな歪みが生じ、高層ビルなど高い建物は斜めに倒れたように写ってしまいます。
また、起伏が大きい地形においては標高の高い場所は大きく、低い場所は小さく写るため、このような歪みのある状態では写真からの計測や地図との重ね合わせができません。
これらの歪みを正射投影によって修正することをオルソ補正といい、補正後の真上から見たような歪みのない、被写体の位置や大きさを正確に表した空中写真をオルソ画像、あるいはオルソフォトといいます。オルソ画像は位置情報を持っており、地形図と同様に位置・面積・距離などを正確に計測することができ、GISの背景データとして利用することも可能です。
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オルソ画像
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オルソ画像と地形図の重ね図
航空写真測量における事業内容
都市計画図
地方公共団体が行政区域内の都市計画の内容を示す図面として、都市計画道路の位置や用途地域の色分けなどを書き加えることを目的とした地形図です。
砂防基盤図
「土砂災害防止法」に基づき、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域を指定するために、地形の微妙な凹凸を反映した詳細な3次元デジタルマップとして作成する地図です。
電子国土基本図(面的更新)
地方公共団体が整備した都市計画基図を基に、補完的に空中写真を活用し、広範囲にわたって面的に更新するものです。
文化財
遺跡の発掘調査の工程で掘りあがった遺構を測量機器で計測し、3次元の正確な遺跡全体の様子を図面化したものです。
AutoCADカスタマイズ
AutoCADをベースとして、業務効率化を目的に作業内容にあわせたコマンドや作業システムを迅速かつ低コストで作成し、お客様の作業時間を大幅に短縮するお手伝いをさせて頂く業務も行っております。
航空写真測量における所有関連機器
種別 |
機器名 |
デジタル空中三角測量 |
MATCH-AT |
同時調整計算 |
BINGO |
デジタルステレオ図化機 |
Summit Evolution |
デジタルステレオ図化機 |
Stereo Works(自社開発ステレオ図化システム) |
数値編集ソフト |
AutoCAD |
数値編集ソフト |
MicroStation |
デジタルマップ処理 |
GeoCoach3D |
デジタルマップ処理 |
拡張DMエディタ |
デジタルオルソ作成 |
Correlator3D |
デジタルオルソ作成 |
PhotoScan Professional Metashape |
デジタルオルソ作成 |
Pix4D |